サウナでたびたび起こる脳内抗争について
本題に入る前の余談が長いのは、現実世界では忌み嫌われるけれども、日記という名のブログであれば、別に相手の顔を気にせず自分の好きな構成で語りたいだけ語っていいと偉い人が言っていたので、自分がサウナに入るようになった経緯から書いていきたい。
私自身多趣味を自称しているが、内から湧き出る原動力によってできた趣味はごくわずかで、ほとんどは妻や友達、職場の同僚の人たちの趣味に感化されたものだったり、これ趣味にしたらかっけーよなぁという憧れがほとんどである。
個人から湧き出た趣味といえば野球や柔道、一部のゲームや漫画くらいなもので、釣り、料理、キャンプ、燻製、ドラマ、音楽、筋トレなどもろもろの趣味は基本的に自ら湧き出たものではない。
何故こんな浮き草のような生き方をしているかといえば、まず第一に興味のなさは教養のなさと感じているからである。自分の知らない事には興味が生まれない。多少なりともこれまでの知識に掠るものがあれば、興味をもてたり、話の内容を理解することができ退屈しないで済む。私が車に興味がなかったのは車の知識が全くなかっただけであって、初めて車を買うことになった際にいろいろ調べてみたりすると、これまで友人が放っていた車に関する宇宙言語が初めて同じ地球の言語を放っていたのだと気づくことができた。
第二はコミュニケーションツールになるからである。浅く広く趣味を持つと、特定の趣味をずっと続けている人からすると知恵を授けるべき対象となり、鼻息荒く色々話してくれる。話すことが好きな自分だが、一生懸命自分の趣味について語っている人の話しと考えを聞くのも好きだ。話も盛り上がり、関係もよくなる。プラスしかない。
最後に心底死を遠ざけたいから。できるだけ長生きしたいし、できるだけ体感時間を伸ばしたい。ジャネーの法則を打破するためには、新しい体験をし続けることが、体感時間を確実に伸ばす最善の方法である。まぁ最後には永劫回帰に妄信し人生もう一回!といいながら死んでいきたい。
まぁ他にも、先ほど述べたこれを趣味にしているおれめっちゃかっこよくね?とかそういう類のものあるけれど、とりあえず本題に入る前に1000文字超えそうなのでここらへんで。
そんなわけで、温泉を趣味にしようとここ数年頑張って温泉に入っている。もともと温泉自体は好きで、一度はいると1時間~2時間は入っていられる。これが社会人になり車を持ち各地を飛び回れるようになったことで、様々な温泉に行くことができるようになった。各地の温泉を比較するために自分なりの指標を作り、点数付けをしている。温泉素人の自分がつけた点数は誰に公表するでもなく、これまで行った中で一番いい温泉は何ですか?と聞かれたときだけのために集計している。
しかし、温泉好きといいつつ半分以上の時間はサウナ・水風呂・外気浴についやしている自分は、実はサウナ好きなのではないだろうかとうすうす思っていて、時には顔を低温やけどするくらい長時間サウナに入っている。
サウナに入るとまず、この部屋にいる誰よりも長く入ってやろうという闘争心が芽生える。自分より先に入っている人間より早く上がるということはその人間にオスとしての敗北を意味している。
ライオンを倒したら一人前、手に猛毒のありの入った葉っぱを巻き付け踊り続けたら1人前。世の中にはそういった根性を見せることによってはじめて1人前と認められる民族がたくさんいる。
私がもし新しい民族を作るならきっと、サウナに自分より先に入ったやつより早く出るような奴は村八分にする。
サウナなんて別に長く入ればいいってもんじゃないよ。別に長く入ったからなんなの?なんて言う輩はルサンチマンを根底としており、私は誰が何と言おうとサウナに長く入れるやつが気高く、強いと感じている。
※最近ニーチェの本を読み返しているから、いきってニーチェに関する話をしている。深く掘られても何にも出てこない浅はかな知識なので、もしニーチェを趣味にしている人がいれば私に鼻息交じりでニーチェについて説いていただければ幸いである。
さてサウナに入るとまずは周りを見渡し、今日の対戦相手のレベルを図る。サウナキャップ付けてるやつと自前のサウナマットを持っている奴はレベルが高い。一番低レベルは小さい子連れであり、さすがに弱すぎて話にならない。
筋トレに引き続き何かしら順位付けしまくっている気がするが、やはり筋トレに引き続き最強格はひょろいじいさんである。だいたいひょろい爺さんは胡坐をかきながら悟りを開いている。ジャネーの法則的にも体感時間が自分よりだいぶ短いため、私の10分は爺さんの1分である。
まさに仙人。その神々しさを前に畏敬の念を持ちながら脳内で勝負をさせていただく。流れ出る汗の量と表情で残りのHPを測るのが定石だが、仙人は残りのHPを悟らせたりはしない。まるでゴールの言えない無限地獄である。その分仙人への下剋上に成功した瞬間はサンブレイクで傀異化モンスターを倒した時くらいの達成感を得ることができる。
水風呂という勝利の美酒に浸りながら、長かった戦いに思いを馳せ。外気浴へと向かう。
外の白いプラスチックの椅子を前に、タオルを椅子に敷くか、隠すかというちょっとした迷いを経て、回転する世界を半開きの目で眺める。
筋トレの世界でもサウナの世界でもひょろい爺さんは強い。ネテロしかり、山本元柳斎しかり、郭海しかり。
自分も将来は強くひょろい爺さんになりたい。